トリカゴ


フィリピン - 金玉スープ


金玉スープ Soup #5

私がフィリピン大学で英語のクラスを受講していたときの話です。当初、大学寮に住んでいた私は、アルコールの持込が厳禁という寮の規律を窮屈に感じ、大学近くのボーディング・ハウスに引っ越しました。このボーディングハウスは 4つのベッドルームがあり、キッチン、リビング、トイレ、シャワー共用の綺麗なところでした。家賃は月に3,000ペソ(約6,000円)。他に住んでいるのはフィリピン人だけでした。

ある日曜日、いつものようにお昼に目を覚ますと、リビングの方がワイワイ騒がしい。隣の部屋を借りているフィリピン人が友達を呼んで昼間から男 4人で宴会をやっていました。ビールや、ウィスキーの瓶がゴロゴロ転がっているところをみるとかなり出来上がっているご様子。フィリピン人はかなりフレンドリーで、こういう状況では「一緒に飲まないか?」と声をかけてくることが多い。隣の部屋のヤツは引っ越して来たばかりで話したこともなかったのですが寝起きでシャワーから出てきた私に対し「一緒に飲まないか?」と言ってきました。その日は何の予定もなかったので相伴にあずかることに。

不気味なスープ
 不気味なスープ

ビールとウィスキーがありましたが、まずはビールで乾杯。男 5人で酒を飲みながら話すことと言えば、まぁどこの国でも似たようなもの。フィリピン人はフェラチオしますか?とか、日本人はアナルセックスは好きですか?とか。フィリピン大学は日本でいうところの東京大学みたいなところでエリートばかり。フィリピン大学に日本から来ている交換留学生も真面目な方ばかりでこんな話は出来なかったため饒舌になります。寝起きでいきなり絶好調。また、何も食べずにビールを飲んでいたので酔いが回ります。

何でもいいから腹に入れようとテーブルの上をみましたが、どの皿の料理もとても美味そうには見えません。フィリピンは見た目がグロテスクな料理が多いですが、男の手料理ということもあってさらに見栄えが悪い。その中で一つ、異様な輝きを放っていた鍋がありました。見た目はなにかの内臓を煮たような感じ。「これは何?」という質問をすると、「There're cow testicles.」との答えが返ってきました。その時私はテスティカルという言葉を知りませんでしたが、カウと言っているので牛肉であろうと推測。実は私、豚肉を食べるのが非常に苦手。小さいときから食べ慣れていないため、少しでも豚くさいと食べることが出来ません。豚の角煮や、チャーシューのように完全に豚臭さが飛んだものでないと食えない。トンだものでないと。豚だけに。がははは。しかし、これは牛の肉ということで食えそうです。こんな私でも食えそうです。そこで「テスティカル」とはどこの部分なのかを聞いてみることにしました。

内臓のどこかだと思っていたので、位置を聞けば大体わかるであろうと思い、人間で言うとどこの位置にあるのか指で指してくれとお願いしたところ、いきなり局部を指差されました。しかもニヤニヤしながら。こ、これは!鍋の中を再確認してみると、握りこぶしの一回り小さい物体が転がっています。しかもその横にある細長い棒の先には亀頭らしきものまでついている。「It's the SOUP no5.」別のヤツがニヤニヤした顔で私の肩に手を乗せ囁いてきました。なんでもフィリピンでは牛もしくは、ヤギの金玉スープは スープ・ナンバー5と呼ばれ、滋養強壮の効果があるスープとして男たちは積極的に飲むそうな。

牛の金玉
 しっかり火が通った牛の金玉。

これが金玉のスープであるということを理解した私は、次から次へと湧き出てくる抑えきれない疑問を彼らにぶつけました。フィリピン人はこれをどれくらい頻繁に食うのか?金玉はどこで買うのか?これは美味いのか?味付けは母親直伝なのか?ほんで、あの、コレを食べたらビンビンですか?と。しばらくビキビキですか?と。

とりあえず、滋養強壮の効果は絶大で、「これを食えば 5、6回は射精できるぜ。お前ぐらい若けりゃよ。」みたいなことを言われました。俄然興味が出てきたね。

とりあえずスープのにおいを嗅いでみることに…。ぐわぁ!動物園のにおいが 100倍になったような感じ。ケモノくさい。豚くさいとかのレベルではない。動物園のにおいがする。これホンマに食えるのか?

ラオスで出会ったバッファローの串焼きはアンモニアくさかったが、食うことができた。全然いけた。しかし、この動物園のにおいがするスープはどうなのか?このチャンスを逃すと将来的に食べるチャンスはないであろうと思い、心を決めた私は、スプーンで肉片をよけ、スープの上澄み液を上品に掬い取りました。コンソメスープのような色の液体をゆっくりと口に流し込みます。口いっぱいに広がる動物園の香り。具体的に言うとサイの臭いが私を襲いました。においが強烈過ぎて味がわからん。くさい!クサイ!こんなの食べたことない。わけわからん。とりあえずくさい。

金玉切り分け
 金太マスカットナイフで切る。

ダシ汁だけでこの威力。金玉本体の方はどれだけすごいんや?口中に広がったケモノ臭さを消すためにウィスキーを流し込みます。ちょうどそのとき、フィリピン人の一人が金玉を切り分けてくれていました。他のフィリピン人はスープを飲んだだけで日本語を叫ぶ私をみて笑っています。ここで金玉食っときゃ、いつかどこかでこの話もできるだろうと思い、覚悟を決めました。いや、正直に言うと、もう好奇心が勝ってましたね。食べてみたい。ダシだけでこの威力。本丸の金玉はどんな味なんや?食感はどんなんなんや?と。

水で口をゆすぎ、切り分けてくれた牛の金玉を目視にて確認。においを嗅ぐ勇気は私にはありませんでした。結構でかいが、このサイズでは致死量には及ばないであろう。おそらく。金玉征服!そんなことを考えながら、ゆっくりとブツを口に運びました。と同時に噛んだ!!ぐぉぉおおぉ!サイくさい!スープよりもくさい!が、スープとは違いコレは流し込めません。噛まないと飲み込めない。一噛みごとに口腔に広がるサイの香り。サイが鼻腔を支配している。これは強烈。口から出そうかと思ったが、すでに友となったフィリピン人 4人の視線が熱いくらい突き刺さっています。なんとかひん飲みました。水を下さい。水を。

金玉の食感はスカスカの牛肉の様でした。木綿豆腐をもう少し硬くした感じ。砂ズリみたいな食感を予想していたのですが、全然軟らかかったです。しかし、不味い。いや、ごめん。味はわかりません。においが凄すぎ。獣くさ過ぎて味はわかりませんでした。一緒にいたフィリピン人は鼻がおかしいのか普通にスープをズルズル啜って、金玉バクバク食べていました。美味いってさ。

金玉サイコー
 金玉サイコー!

写真左の黒い Tシャツを着ている男も金玉スープを食ったのは今日がはじめてとの事でしたが、バクバク食べていました。無理して食べてるのかと聞いたところ「ンマーイ!」って。「フィリピン人はクセのある味が好きなのさ。」と言っていました。そういえば、フィリピンで一番人気のある郷土料理「シシグ」は豚の顔面の皮と脳ミソを炒めたもの。また、街中に出れば孵化直前のアヒルの有精卵を茹でた「バルット」というグロテスクな料理もあります。

コレを置いているレストランは結構あるそうです。フィリピンに行かれた際にはスープ・ナンバー 5にトライしてみてください。この日に私が食べたモノは普段料理をしない男が作った金玉スープだったので特にマズかったのかもしれません。レストランのはもうちょっとマシやと思います。

おまけ (クバオの援助交際広場)

クバオのモール
 クバオのアリモール

ここから先は金玉スープとは関係ありません。金玉スープ食べたその後の話。

買って来たアルコール類を飲み干した我々は外に飲みに行くことにしました。時間はまだ夕方の 4時。どこに行くのかと聞けば、クバオのショッピングモールに行くとの事。ショッピングモールの地下にフードコートがあってそこで飲めるそうです。みんなで一緒に出かけました。

タクシーでクバオのアリモールに直接到着。 MRTクバオ駅前にはアリモールの他にも、SMシューマート、ファーマーズ・ウェット・マーケット、ルスタンズ・スーパーストアという 3つのショッピングセンターがあり、アラネタ・コロシアムというスタジアムなんかもあります。アラネタ・コロシアムは、1975年のモハメド・アリ対ジョー・フレイジャー戦の舞台になったところ。アリ・モールはモハメド・アリにちなんで付けられたとのことです。

この日は日曜ということで家族連れで賑わっていました。

フードコート入り口
 フードコート入り口

フードコート内
 フードコート内

小さいビア樽
 小さいビア樽

フードコートに到着し、小さいビア樽を注文し適当に食べるものを注文しました。ビールを飲みながらアホな話を続けていましたが、突然すごいことを教わりました。この家族連れで賑わうフードコート、実はローカルの人相手の援助交際広場らしいのです。売り手は主に女子大生で学費を稼ぐために体を売っているとの事。一回の料金は 700ペソ(約1,400円)ぐらいですって。1,400円とかで体売っていいのか?

一緒に飲んでいたフィリピン人の一人がお昼に食べた金玉効果で、ムラムラしてきたらしく、ずーっと女の人を探していましたが、結局お相手は見つかりませんでした。気に入った子は何人かいたようですが、話しかけた子はみんな既にパートナー(買い手)が決まっていたみたいです。

私見というか、私の好みかもしれませんが、ここには日本人が気に入るような子はいないと思います。フィリピン人ってあんまり可愛いくないですよね?日本のフィリピンパブに来ている子と日本人の女の子を比べるとどうですか?日本人の方が何倍も可愛いですよね?「大きくて、真っ直ぐで、きれいなバナナは日本に輸出され、私たちフィリピン人が食べるバナナは小さくて、曲がっていて、見栄えが良くないものばかり。」フィリピン人に寂しそうに言われたことがあります。人とバナナが同じとは言いませんが、日本のフィリピンパブに来ている娘さんは、現地ではかなり綺麗な方に分類されます。美人ヒエラルキーの頂点に位置している娘たちが日本に派遣されています。ですから、ローカルの娘さんというのはご想像通りです。しかし稀に、本当に稀にですが、フィリピン人で無茶苦茶可愛い子もいます。

しばらく飲んだ後、ベロベロになってみんなで帰宅。疲れた。この日はいろいろ勉強になりました。

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